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第85話 お誕生日おめでとう

Author: 雨音休
last update publish date: 2026-06-19 06:03:29
 アストラブールの高台。

 まだ夕方であり花火は上がっていない。そのせいか高台は空いていた。お祭りの喧噪が遠くに聞こえる。ベルフラウとトウマはベンチに並んで腰掛けていた。肩が触れあうような距離。胸がドキドキとした。いつからだろう、自分が彼を男として意識するようになったのは。

 多分、あの時からだ。

 小学校三年生の時、ベルフラウがいじめられた時に助けられてから。

 ステータス画面を出す。中からリボンで結ばれた白い箱を取りだした。トウマに差し出す。本名で呼び合った。

「ユウマ、お誕生日おめでとう」

 彼がびっくりしたように居住まいを正した。

「俺の誕生日を覚えていてくれたのか?」

「当然じゃない。あたしを誰だと思っているの?」

「真帆、ありがとう」

「うふふん、どういたしまして」

 トウマが白い箱を受け取る。

「開けてみても良いか?」

「いいわよ」

 トウマがリボンをはずして箱を開ける。中に入っていたのは赤い魔石のついたネックレスだった。銀のハート型に装飾された赤い粒が綺麗に輝いている。昨日ベルフラウが魔導具店で購入したところの性欲のネックレスである。彼がそれを取り出す。

「これ、高かっ
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